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ドラムロールの音が割れる(解決編) [オーディオ]

大音量再生でドラムロールの音が割れるというお話の続きです。

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いろいろ検討し、やってみましたが解決せず、ついに行き詰まってしまいました。皆様に助けを求めようと思って書き出した日記だったのですが、ふと思い浮かぶことがあって、それを試してみたところ、何とこれがピンポーンだったのです。

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それは、プリアンプの背面パネルの防振です。

結論を先に申し上げると…

信号入力ピンジャックのところに極うすの鉛テープを貼りました。

厚さ0.125mmの鉛のバランス調整用テープを6cmほどの長さ、重さにしてわずか約0.5gをジャックの上下に貼りました。

たったそれだけで、あっけないほどピタリと音割れが無くなりました。

ここには、接点振動対策のために、以前からレアルシルトをデッドニングのために貼り付けていました。ここもやり過ぎると《オーバーキル》になってしまいます。そのことにオフ会で気づいて、大幅に減らして入出力ジャックの周りだけをほんの少しだけ残すようにしました。

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実は、その後、この少しだけ残されていたレアルシルトが劣化していることに気づきました。粘着材の基層から金属アルミ箔が剥がれてきてしまったのです。細くカットしているせいでアルミ箔が半分剥がれてしまったのです。

それに気づいたのは、高域に付帯音がまとわりつき、厭な感じが耳につきだしたからでした。ペラペラの金属箔が共振したのでしょう。それにしても、このジャック部分がそれほど敏感なことに驚き呆れました。

それで、ついに、レアルシルトをまるごと取り去ってしまっていたのです。

ようやくそのことを思い出しました。

そもそも振動対策でここにデッドニングを施していたのですから、未対策に戻ってしまっていたのです。やり過ぎのやり過ぎ。オーディオなんて、こんなことで行ったり来たりの試行錯誤です。

《共振》というのは恐ろしいものです。偶然の一致みたいなことですから、共有性がないので他人から見れば「はあ?」みたいなところがあります。

実は「ペトルーシュカ」には因縁があります。

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アナログ時代に愛聴していたハイティンクの名盤。素晴らしい優秀録音盤ですが、たった一カ所だけ何度かけても針飛びしてまう場所がありました。第4場終幕始めのマーケットの場面で熊使いと熊が現れる場面。熊を描写するチューバのソロの音で針が飛んでしまうのです。

当時、使っていたのは、FR-54とFR-5Eを組み合わせたプレーヤー。ベースは分厚い無垢の鉛板を奢るなどハウリング対策にも万全を期した渾身の自作プレーヤーでした。それが、何度かけても同じところで針が浮いて飛んでしまうのです。

これが、プレーヤーを買い換えたとたんに、あっけないほどに針飛びが解消しました。別に大振幅でもない、何でもない箇所でどうして針が飛んでしまうのか。フィデリティリサーチには不信感が残りましたが、そういうことではなくて《共振》だったのです。アーム共振という現象についても、その対策についても、全くの無知だったのです。

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鉛テープについては、いろいろ試行錯誤しました。

最初は、2mm厚の分厚い遮音・制振用のものを使用して一発でうまくいったのですが、これはビギナーズラックのようなもので、きれいに仕上げようとやり直したらおかしくなってしまいました。丁寧にやり直したのがかえって仇になり、高音域が再びおかしくなり、制振効果も薄れてしまい頭を抱えてしまいました。

原因は、しっかりとくっつけようとして、両面テープを「極うす」から「超強力」にかえたことでした。「超強力」は、粘着層が分厚くなっていて、これがいけなかったのです。

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余談ですが、両面テープは、オーディオ用としては常備していると、アクセサリーの接着、ボードや機器の滑り止めとして何かと便利ですが、「極うす(0.09mm)」に限ります。それ以外は、粘着層が厚めのためにオーディオ用としては何かと音によくないようです。

閑話休題…

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そこで、ゴルフ用のウェイトバランス調整用テープを試してみたところ、これが大ヒット。制振効果はデッドニング用の重量級鉛テープと何らかわりません。テニスラケットのバランス用には細幅のスリムタイプがあって、さらに使いやすいので、こちらも購入しました。

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共振は、大音量再生とかテストCDでスイープをかけたり、あるいは、特定のソフトの特定の場所のところで初めて気がつきますが、よく聴いてみると微妙に悪さをしていることもわかってきます。

音割れは氷山の一角なのです。しかも、どこに潜んでいるかもわかりません。接点や真空管のマイクロフォニックのように回路的にループを発生させるものは、実は音質面でとても深刻です。ハウリングの一種だからです。

対策をしてみてわかったことは、低域の質と量も向上することです。共振によって低域のエネルギーが吸われてしまうのでしょうか。ただし、高域の質とトレードオフのようなところがあって、バランスは微妙です。やり過ぎると、ピアノの低域などではゾクゾクするほど良くなるのですが、中高音域のどこかがでヌケが悪くなり濁ってきます。弦やコーラスの響きが濁り出して、金属的な響きがアクのように浮き上がってきたり、高域が目立ったり刺すような音色が出てくるのです。さらにやり過ぎると音が固くなり音場も狭くなります。機器のグレードが上がれば上がるほど敏感でデリケートになります。

今現在は、2枚重ねたところで止めて様子をみています。



面白かったのは、ネットで見つけたテニスラケットのバランス調整についてのプロの方のコメントです。

**** 意外に多い「やりすぎ」 ***************************

鉛を貼ってスイングウェイト調整をしている方が、意外に陥りやすいのが「やりすぎ」という状態です。

鉛だけで10gを超えているようなケースも珍しくありません。
そういうケースでも、最初からゴッソリと付けたわけではなく、付けているうちに、だんだんとエスカレートしていった結果そうなったということのようです。

ありがちなのは、ちょっと付けてみて良い感じが実感できたときに、「もっと付ければもっと良くなるのでは!」と考えてしまうことです。

そして、付ける量を増やすと効果もハッキリと実感できるのですが、そういうときのプレイヤーの意識は、増やしたことの効果だけに注目しているため、全く別なところで、スイングウェイトを増やし過ぎた弊害に気が付かないことが多いのです。

スイングウェイトが重すぎると、柔らかいインパクトのショットが苦手になったりするのですが、相手の強い打球に対して面がぶれずに打ち返せることに感激していると、そういう弊害に気が付きにくいわけです。

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何だかオーディオにも通ずるお話だなぁと、思わず笑ってしまいました。

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