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窒化ガリウムUSB-C充電器で給電 [オーディオ]

Diretta Targetを導入した我が家のPCオーディオですが…

窒化ガリウムUSB-C充電器をDCアダプター化したもので給電してみました。



窒化ガリウムというのは、高輝度青色発光ダイオードで一躍注目された半導体です。青色ダイオードの実用化に必須とされた高品質、高純度の結晶生成に成功し、さらにその量産化技術を確立したことで三人の日本人がノーベル物理学賞を受賞したことは記憶に新しいことでしょう。

この窒化ガリウムが、さらにパワーデバイスとして注目されています。高出力でスイッチング速度が速く、大電力・高効率化が可能になるからです。三人のノーベル賞受賞者のひとりである天野浩教授は、窒化ガリウム半導体を使った小型で高効率(発熱の少ない)自動車用インバーターを開発していて、近い将来には非接触充電の電気自動車の実用化ということも視野に入っているとのこと。

その窒化ガリウムによるパワーデバイスがいち早く活かされ、急速に拡大しているのがスマホなどの充電器です。それはコネクターのUSB-TypeCへの統一という動き。その規格統一のキーとなっているのが、多岐にわたる電圧と電力をカバーするUSB PD(USB Power Delivery)規格なのです。

窒化ガリウム半導体のおかげで、5V/9V/12V/15V/20Vの給電が1台で可能で、しかも、最新規格(v.3.0)では最大100Wと規定され、現実に90W(20V x 4.5A)のPD充電器も登場してきています。しかも、従来の電源アダプターに較べると圧倒的に小型なのです。

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旧式のノートPCに重くてかさばるアダプターを持ち歩くのが煩わしいと考えるひとには、USB PDから固定電圧どコネクターを変換してくれる変換ケーブルも発売されています。本来のUSB PDでは、受電側の電圧を認識して電圧を切り替えるわけですが、こうした変換ケーブルではあらかじめ電圧が固定されているというわけです。USB-PDの大電力化で20V/2Aといった電源を必要とするノートPCでも、手のひらサイズの充電器で用が足せるようになったというわけです。



私の“お茶の間オーディオ”は、金田式アンプを中心とするオールバッテリーシステムです。オーディオ用PCは全部で5台から構成され、さらにオーディオ専用LANにはハブとルーターがあります。それらもすべてバッテリー駆動。商用100Vを使用しているのは駆動系を持つCDとアナログプレーヤーだけです。圧倒的な低ノイズ電源となっています。

ところが、PC5台ともなるとバッテリーのマネジメントがかなり面倒になります。一番の悩みは、ファンレス対応になっていないバッファー用のミニデスクトップPCです。これだけが突出して消費電力が大きい。そのために、他のバッテリーがまだまだ50~60%の残量なのに、このバッテリーだけ充電寿命が先に来てしまいます。

基本的にスイッチ付の電源タップでいっせいに充電する仕掛けにしていますので、このせいで全体として繰り返し充放電をしなければならなくなって電池そのものの耐久寿命にもマイナスとなってしまいます。

なんとかうまい解決方法はないものかと思案していたところ、MFさんが「窒化ガリウム充電器」とつぶやいていたことを急に思い出したのです。それでさっそく試してみたというわけです。

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これで、60000mAhの大容量バッテリーは、次に消費電力が大きいコントローラーに回すことができました。大容量はRoonContorlerPCとDirettaTargetPCの2台、残りの、RoonCorePC、RoonBridgePC、ハブとルーターは30000mAhの中容量バッテリーで十分です。バッテリー消費の平準化が実現し、しかも予備のバッテリーも確保することができました。

なお、LIVAなどデスクトップPCはたいがい19V電源ですが、USB-PDで供給される20Vは許容範囲内ということで問題なく動作します。

さて



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肝心の音のほうですが…

あくまでも、BufferPCの電源をバッテリーから切り換えたあとの印象ですが…

ほとんど音質は変わりません。

あえて言えば、音像の輪郭や描線が極細から中細へと太めになったような感じ。特にピアノのトランジェントが少しだけ響きを増したような気がします。一方でストリングスは伸びやかで、艶やかになり雰囲気感が増します。といってもその差は思ったよりわずかで、プラセボの範囲内です。以前に持参いただいたリニア電源をちょっとだけ聴いたことがありますが、その差異の方が大きかったという気がします。

言い換えれば、予想をくつがえす低ノイズ・高音質だったということです。

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窒化ガリウム充電器のDC供給には大きな将来性を感じます。

やはりスイッチングの高速化は低ノイズに結びつくのでしょう。しかも電気自動車を駆動するほどの大電力供給も可能なのです。オーディオ用としてはもしかしたらリニア電源(トランス+整流回路)をすでに上回っているのかもしれません。充電器の流用は、本格的な安定化回路を欠いているわけですが、それでこれだけのクォリティなのですから。オーディオ用としては一時的な話題に終わった室内用蓄電システム電源ですが、インバーターが窒化ガリウム化すれば、今度こそ大化けするかもしれません。
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