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進化がとまらない (バズケロ邸訪問記 その1) [オーディオ]

心地よい響きをそのままに現代的ハイファイを一段と進化させていることにびっくり。

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バズケロさんの「ハーベス部屋」は、木造のコテージ風の部屋の響きが心地よいリビング。リラクゼーションを主体としてまったりと音楽を楽しんでおられました。それをぐっとハイファイの方向へと転換させたのが一年前。

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きっかけは、それまでのマックトンの真空管アンプをアキュフェーズに入れ換えたこと。真空管アンプは何かと不安定でしばしば病棟を行き来。それが少し煩わしくなったからだそうです。

せっかくのくつろぎの良さを…とも思ったのですが、それを思い切って転換し音楽のディテールを描出し音色や細かなダイナミックスのグラデーションを鮮やかに浮かび上がらせていることに驚喜しました。

今回、一聴してみて、その現代ハイファイのリアリティを一段とグレードアップさせていることに、またまたびっくり。何気なくかかっていたのは村治佳織のギターですが、とってもリアリティが高く、しかも美しいアコースティックの音色。いろいろと聴かせていただきました。

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古いCDですが、マとオザワのドンファン。ボストンのシンフォニーの豊かな響きとリアルな音色、複雑多彩なオーケストレーションが眼前にくっきりと現れます。

手を入れたキモは、サブウーファ。

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従来は、サブウーファのセッティングをまず極める。部屋にまんべんなく低域が回るように徹底的に位置や方向などをチューニングしたそうです。そのサブウーファの低域にうまく乗るようにハーベスを設置する。

今回は、まったく逆にまずハーベスのセッティングを極める。まず左の1台だけで部屋の最適位置を徹底して絞り込んでいったそうです。長いケーブルと台車を用意して部屋中を動かす。その最適解が決まると左右両スピーカーの幅などのベストを探る。この日、ご一緒だったTさんも加わっての作業だったそうです。TさんはSONYで、LPのカッティングやCDマスタリングに携わった元エンジニアですから耳は確かです。

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ハーベスの位置は、わずかに背面壁に近めになり幅もはは縮まったそうです。ここにサブウーファを流し込んでいく。カット周波数は限界まで下げて急峻にカット。ミニマムな重ね方。実のところ、試聴はほとんどサブウーファはオフにして聴きました。小型モニターとはいえHLCompact 7ES-3の20cmウーファーは公称43Hzまで伸びていて低音は十分。オンにするのは小音量でのリラックスした鑑賞時のみ。等ラウドネスのための低域補正のような使い方では効果的だとのこと。とても納得します。

最後に、私の検聴用定盤だからとかけてくれた、幸田浩子さんのカッチーニの「アヴェ・マリア」。

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これを聴いて「ええ~っ」と思いました。

突然のようにハーベス部屋のライブで心地よい響きが浮かび上がってきたのです。まるでイタリアの貴族の邸宅のエントランスロビーで歌っているかのような濃醇なベルカントが部屋いっぱいに広がり包み込まれる。幸田さんの口が大きくなったように思えますが、すぐにその音像は明快でしっかりと中央に立像が浮かび上がる。

こういう響きが、スピーカー特性と部屋のアコースティックにソフトが柔軟に適応して実現しているということは、後で聴いてみて確認しています。このソフトは、再生システム次第で、ボーカルが小さく奥に引っ込んだり、逆に前にヒステリックに出てきたり、と変幻自在。検聴用として必殺のソフト(日本コロンビアをなめたらアカン)。

洋楽の声楽唱法はベルカントに限らず、会場とその立ち位置次第でホールいっぱいに響きわたりますが、そのことがまさに眼前で起きている。BBCモニターの人声再生の妙と、部屋の木の香りのするライブな響きが見事にマリアージュ。あれだけハイファイに振ったのに、ハーベスはハーベスなのです。
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