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締めは清水和音の熱情 (清水和音の名曲ラウンジ) [コンサート]

東京藝術劇場は今年9月末から約一年休館となるそうです。

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それで、この「清水和音の名曲ラウンジ」シリーズもしばらくお休み。それで、今回はその締めということで、清水和音さんが最後に「熱情」を弾くというわけです。

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今回のゲストは、藤江扶紀さん。

東京芸大を卒業後、ローム音楽財団の奨学生として渡仏。パリ・コンセルヴァトワール大学院を修了後もフランスを拠点に活躍。2018年からはトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコンサートマスターを務めています。

このシリーズの常連の一人ですが、年に一回の出演。なぜかいつも夏の暑い時期になるのは、フランスのお勤めが明けるバカンスだからでしょうか。清水さんが、せっかくのパリ・オリンピックなのにとツッコミを入れても、トゥールーズは、フランスといってもパリから遠い田舎ですから静かですと涼しいお顔。

今年の1月には、N響のゲスト・コンサートマスターも務めています。客演指揮者は、かつてトゥールーズ・キャピトル国立管の音楽監督だったトゥガン・ソヒエフ。よく知った間柄でN響とのコミュニケーションのサポート役ということだったのでしょう。

ここにも清水さんが、N響のコンマスって大変でしょう?とツッコミ。

まあ、何となくN響団員の優等生体質を皮肉るような質問でもあったわけですが、藤江さんは、どこの楽団であってもコンマスは難しい大役ですと軽くいなしておいて、フランスと日本の音楽気質の違いをさらり。

「N響は技術的に高いのにとても控えめ。ひとたび指揮者の意図を理解し共感すると一丸となって凄い演奏をする。フランスでは、その逆でひとりひとりが目立ちたがりで指揮者がそれをコントロールするのが大変です。」

「N響では指揮者はずっと積極的に引っ張る必要があるけど、フランスではもっぱら抑え役。そうでないととんでもない演奏になってしまう。」

日本人の技術偏重の優等生気質と、フランス人の自由で互いの干渉を嫌う個人主義気質は、オーケストラの組織でもとても対照的なようです。それをどうするかがコンサートマスターのマネジメントというわけです。

藤江さんのヴァイオリンは、細身でとても純度の高い音色。

モーツァルトのK304もベートーヴェンのスプリングソナタも、どちらも大好きな名曲中の名曲。共に、とてもフランス的な気質の音楽で、藤江さんのヴァイオリンにぴったり。清水さんとの音色的な調和も完璧で、すばらしい演奏でした。

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締めは、清水さんの独奏で「熱情」。

このコンサートシリーズは、昼前の1時間のコンサイスなコンサートでトークも楽しく、ほとんど欠かさず通っていますので、しばらくのお休みはとても残念。来年10月の再開がとても待ち遠しく感じます。



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芸劇ブランチコンサート
清水和音の名曲ラウンジ
第49回「締めは清水和音の熱情」
2024年8月7日(水) 11:00~
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(1階M列24番)

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタホ 短調調 K.304
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調作品24 「春」
       :ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調作品57 「熱情」

藤江 扶紀(Vn) 清水和音(Pf)

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