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郷愁のポルトガル音楽・ファド (カルミーニョ) [コンサート]

カルミーニョ(Carminho, Fado)は、1984年生まれ。幼少から著名なファド歌手である母テレサ・シケイラの歌声を聞いて育ち、自身も自然と歌うようになったそうだ。それでも、初めからファド歌手を目指していたわけではなく、大学へ進学し、世界中をバックパッカーとして旅行した。そんな経験を経て、初めてファドこそ自分の魂だと気づいたそうです。

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いまやポルトガルでも若手ファド歌手として絶大な人気。アカデミー賞映画にも出演し、世界をまたにかけ精力的に活躍する注目のファドシンガー。初来日。

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「北とぴあ」は、いつもは大ホール(さくらホール)ばかりなので、この400席ほどの「つつじホール」は初めて。親しみのもてる中規模の多目的ホールで、アコースティックはやっぱりややデッド。会場にはPAがセットされていました。

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ファドそのものは、とても素朴な編成。若いカルミーニョもそこはきっちりと伝統を守っています。

ポルトガルギター(ギターラ)と呼ばれる丸いリュートのような形をした12弦6コースのギターと、現地ではヴィオラと呼ばれる一般的なアコースティックギター。それとアコースティックベース(ヴィオラ・バイショ)という3台のアコースティックギターだけのバンド。このバンドの妙技もファドを聴く楽しみです。

大衆歌謡として、哀感や郷愁を思い入れたっぷりに歌い上げる。かならずしも暗い曲調ばかりでなく、婚姻や求愛をテーマにした行進曲風の陽気な曲もあります。大航海時代を牽引したポルトガル人は、海や船乗りへの思いも強くてそうした歌が一番盛り上がります。

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初来日というのに、日本語をちゃんと頭に入れているのには感心しました。片言の日本語混じりの英語のトークも楽しく、ちょっとしみじみと胸に響くものがあります。途中、ポルトガル語で話しかけたのは日本在住のポルトガルやブラジルの人々も会場にかけつけていたからでしょか。英語のスピーチには完璧に反応していた会場も、さすがにポルトガル語の時はほんの一角だけが反応していました。

最後のアンコールでは、「川の流れのように」というサプライズ。

ちょっとだけ歌詞が飛びましたが日本語も完璧。確かにファドの名唱は、日本の美空ひばりのようなもの。どこかで深くつながっているのか、何だかわからないままちょっとウルウルしてしまいました。

アンコールの最後の最後は、PAを外してアコースティックでの絶唱。これがファドの心意気というものなのでしょうね。




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カルミーニョ
郷愁のポルトガル音楽・ファド
2024年10月19日
東京・北区 北とぴあ つつじホール
(K列22番)

カルミーニョ(ファド)
アンドレ・ディアス(ポルトガルギター)
ティアゴ・マイア(アコースティックベース)
フラーヴィオ・セザール・カルドーソ(ギター)

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