日本語はあいまいな言語だとよく言われる。

「世にもあいまいなことば(=日本語)・の秘密」という題名を一見して、日本語という言語のもつ特有のあいまいさを言語学的に解明しようという本だと思い、手にしてみた。



ところが読み始めてみるとそうではない。

「世にもあいまいな・ことばの秘密」ということで、(ことば=あいまい)という意味。表現にはあいまいさがつきまとうが、それは日本語に限ったことではない。そういうことばのあいまいさ(=複数の解釈が可能)を回避するための実用書みたいな本でした。

ことばといっても、日常の日本語。言語学といった難しい本ではなく、ごくごく身の回りの会話とか、メールやSNSでのやりとり、ニュースの見出しなどのお話し。例文もごく簡単なものだから、親しみやすいし、わかりやすい。

でも笑ってすませるわけにもいかない。

メールやSNSなど、短文のやりとりばかりの昨今。こんな短いことばでも誤解のすき間だらけとびっくり。短文だからこそ言葉を選び、磨いてみよう。




世にもあいまいなことばの秘密
川添愛著
ちくまプリマー新書442
2023年12月10日 初版第一刷発行