長野県上田市にある《無言館》に行ってきました。
https://mugonkan.jp/



無言館は、戦没者画学生を慰霊する美術館。

遺された作品や下絵、素描、あるいは家族に託された遺品は、生きることを希求した青春の息吹や家族への思いがこめられていて胸を打ちます。

帝展(現・日展)で、首位入選(次席は東山魁夷画伯)を遂げた作品の下絵から、家族に当てた肉筆の絵はがきまで、その遺作・遺品は様々。東京美術学校(現・東京芸術大学)や帝国美術学校(現・多摩美術大学、武蔵野美術大学)などの卒業生から、家業の提灯店を継ごうと苦学して美術を学んでいた若者まで、その軌跡も様々です。



建物は、コンクリートの打ちっぱなしの素朴な建物。館主の窪島誠一郎自身の設計で、全体を平面で見ると十字形になっていて、扉口も左右になっているのは教会を模したのでしょうか。



終戦記念日ということで、画学生の名を刻んだ絵筆を訪問者ひとりひとりが奉納して、慰霊を弔います。



二十年以上前に母とともに出来たばかりの時に訪ねて以来の再訪ですが、さらに第二展示館「傷ついた画布のドーム オリーヴの読書館」も増設されていたのは嬉しい限りです。その母も先年亡くなりましたので、一緒に再訪ということはかないませんでしたが。