音場が視野の横幅いっぱいに広がって、音像がくっきりとその空間に立体感豊かに浮かぶ。この空間表現はすごいなぁ。CENYAさん、やったねぇ~。



音場が部屋いっぱいに充溢する感覚は、けっして間接音の効果ではない。その証拠に、横使いの配置で、センターのリスポジではなくて横の席で聴いているとそういう横幅は感じない。スピーカーはやや内振りで平行法ではない。これはあくまでもスピーカーからの直接音で造り上げたバーチャルな空間だということがわかります。

前回にお伺いしたときも同じような立体感覚はありました。部屋中に間接音をわんわんと響かせる擬似的な立体感とは対極的で、録音に入っている音情報を余さず正確にリスナーの耳に届けるという感覚。頭の中に響くのではなく、まさにスピーカーでの空間再生なのに、そのサウンドはまるでヘッドフォンでの鑑賞のような質感です。

そこは全く変わっていないけど、前回の音場空間は、くっきりと引き締まったもので、まるで精緻なドールハウスを愛でるかのようでした。今回は、空間がものすごく拡がっていて幅が広い。目指しているものは変わらない。でも今回は徹底して位相を合わせた――その結果だというのです。

CENYAさんのシステムは、唯一無二。



徹底したマルチアンプ駆動で、スピーカーユニットは、基本の2wayに低域とサブウーファを加えさらに左右や後方のユニットも加えて指向性を広げている。しかも、そのユニットを2台のAVアンプを左右独立で使い、多チャンネルで直接駆動しているというユニークなもの。



送り出しは自分で組み上げた大型PCと、改造ネットワークプレーヤー。特にネットワークプレーヤーは、もはや原型を留めないくらいに改造。オリジナルはトランスと筐体ぐらい。まるでサイボーグ。



今回は、いわゆるサブウーファはやめて、帯域はそれぞれにカットしてクロスさせてる。後方のサブウーファはやめてドロンコーン化した。磁気回路は、まあ、おもりのようなもの。左右のウーファーユニットは正面と同じチャネルを再生。同一のキャビネットで違う帯域を持たせるとやはり位相が正確にならないそうだ。チャンネルデバイダは、ケーブル直結の空中配線。パッシブ型のアナログで6dB/OCTの1次フィルターのみというのも位相合成の徹底のため。そんなこんなで、焦点合わせを徹底的に磨きに磨いたというわけ。



面白かったのは、各ユニットの音量バランスも微細にバランスさせていること。これをちょっと変えると音色のみならず定位感も変わる。アッテネーターではなくてそれをAVアンプの機能でやってのける。だからそのバランス調整は微細で、しかも、dB表示で見える化される。

今回は、いたちょうさんとご一緒しましたが、最後は、これまたこの帯域バランスを徹底的にイジリ倒しました。一人だとどうしても思い込みと馴れで、自己撞着におちいっちゃう。だから、我々の意見も聞いてチューニングをしたいというのが、今回のオフ会の目的というわけでした。

清純かエロか、ピチピチか熟女か……いたちょうさんの決定打は、中森明菜。私は、坂本冬美…かな?