メジューエヴァのラフマニノフ作品集。



先日のNHKBS「クラシック倶楽部」にすっかり魅せられしまいました。

その演奏の素晴らしいこと。TV音声ですがピアノの音も素晴らしい。

使っている楽器は、《ラフマニノフが愛したピアノ》。



画面を見ると、傷だらけ。鍵盤を覆わんばかりの大きな手を持ったラフマニノフの爪がぶつかって引っ掻いた痕なんだとか。



その楽器は、アメリカの倉庫で長期間保管されていて、虫食いやひび割れで演奏できない状態。2020年4月 ピアノは日本に運び込まれ、調律師の高木祐さんが 約1年かけて修復。1つ1つの部品が修理され よみがえった。そして、ラフマニノフが弾いていた当時の音を響かせる。



メジューエヴァさんは、こう言っています。

『ラフマニノフのタッチを覚えている楽器
 古い楽器なので調子が(定まらない)
 時間と共に様々な音色を出してくれるすばらしい楽器だと思う』



これを見てたまらずCDを買いました(正確にはe-onkyoからDL)。

プログラムもほぼ同じなのでライブかと思ったら、これはれっきとしたセッション録音。収録場所も違います。そして肝心のピアノなのですが、残念ながらこれも違う。とはいっても、こちらの楽器も、あのピアノ(1932年製)と同じニューヨークスタインウェイCD135(1925年製)。むしろ、こちらのほうが目鼻立ちがよりはっきりしている。

メジューエヴァさんは、日本の宝もののようなピアニスト。その真正のロシアンピアニズムにいつも魂を奪われる。ラフマニノフを堪能しました。