青春は忘れ物 (LPクリーニング最新事情) [オーディオ]
アナログ再生で最も重要なのは、LPのクリーニングです。
カートリッジでもターンテーブルでもフォノイコでもない。良い音質で聴くには、1にレコードクリーニング。その2が針先(スタイラス)のクリーニング。3、4が無くて、5番目ぐらいからいわゆるオーディオ機器が続くと言っても大げさではありません。
そのクリーニングが、けっこう大変な手間です。
世の中には精製水や超音波、真空吸着などの機械式のものがあって、その効果はともかく手間ひまの点では圧倒的に便利な製品がありますが、いずれも高価です。そこで、相変わらず手作業でのクリーニングを繰り返しています。
その一番のキモは、何と言っても極細の歯ブラシ。その方法の最終形については以前に日記でご紹介したことがあります。
簡単に機材と手順をご紹介します。
《機材》
a. 予洗用洗浄液: 超アルカリ電解水(超電水クリーンシュシュ)
b. 洗浄液: レイカ バランスウォッシャーA液
c. 仕上げ用洗浄液: レイカ バランスウォッシャーB液
d. 磨きブラシ: デンターシステマ歯ブラシ(極細)
e. 拭き取り(洗浄) ケルヒャー バキュームクリーナー(WV 50 plus)
(仕上げ) ディスクユニオン レコクロス50
f. ターンテーブル TV用ターンテーブル+DJ用スリップマット
《手順》
1.予備洗浄
2.本洗浄(盤質が良好であれば省略)
3.仕上げ
4.乾燥、仕上げ拭き
5.針通し
ケルヒャーのバキュームクリーナーの採用で洗浄後の拭き取りがとても楽になりました。それ以前は、液体はキムワイプで拭き取っていましたがびしょびしょの盤面を拭き取るのは一苦労。しかも、せっかく洗浄液でゴミを浮かせてもまた刷り込んでしまうようなものでしたので、バキュームで吸い上げる方式は画期的でした。
仕上げにはレイカのビスコ33を使用していましたがレコクロスに変えてコストダウンしました。
この歯ブラシでの磨きが一番手間ひまがかかります。何とか効率化を図りたいと思い、以前に電動歯ブラシ(システマ)を試したことがあります。ところが電動歯ブラシはちょっと振動が強くて盤面を痛めてしまったことがあって怖くて止めました。また、一時期、シャンプー用のものも試したことがあります。確かに磨ける面積は大きくなって楽になりましたが植毛が粗密で効果が薄いと感じて、結局は歯ブラシに戻してしまいました。
最近になって取り入れたのが、コレ。
青春のシンボル、ニキビ対策に洗顔フォームやクリームなどをいろいろと出しているプロアクティブの洗顔ブラシ。
これがぴったりはまりました。
回転式なのでブラシングもマイルドです。
かなり完成度の高いクリーニングメソッドですが、クリーニングはなかなか一度では済みません。一度、合格と思ってもその後またかけてみるとピチパチノイズが残っていてがっかりということも少なくありません。また、一度、二度とクリーニングを繰り返してもなかなか満足のいくクリアな音質になならない盤面もあります。
そういう場合の最終兵器がこれ。
メラミンスポンジです。なかなか落ちない頑固な汚れをまるで消しゴムのように消し取ってしまうお掃除用の汚れ落としスポンジです。
硬いメラミン樹脂を細かく発泡させて固めたものなので、汚れ落としとしては強力ですが盤面を削ってしまう危険もあるので安易にお薦めするわけにはいけませんが、どうしてもピチパチが取れない悪質な盤面には覚悟を決めて使用します。ホコリではなくキズがついてしまった盤面もこれで擦るとノイズが軽減されることがあります。
必ずたっぷりと電解アルカリ水をかかけて二~三回程度を限度に慎重に溝に沿って滑らすように使用します。自分も削れて汚れを落とすという原理ですので消しゴムの削りかすが微少に残る可能性があります。
そこでまたケルヒャーのバキュームクリーナーが登場というわけです。ケルヒャーが無い場合は、蛇口で大量の水をかけてよく洗い流します。
再生システムのレベルが上がれば上がるほど盤質が気になります。なかなかクリーニングに終わりはないようです。単なるピチパチだけではなく、クリーニング後にはほんとうに「一枚皮が剥けた」ようなフレッシュな音が蘇ることがあります。
ニキビは思春期のシンボル。LPレコードは、思春期というよりも《思秋期》ということでしょう。そのグルーヴには、青春の忘れ物であるホコリや汚れがびっしりつまっています。
レコードクリーニングのお薦めです。
タグ:レコードクリーニング
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