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ショパンへのグランド・オマージュ(川口成彦@紀尾井レジデント・シリーズ最終回) [コンサート]

川口成彦さんの紀尾井ホールでのレジデント・シリーズもあっという間で、もう最終回。

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古楽器という枠にはめられがちのフォルテピアノやヴィンテージピアノから、思いも寄らぬような多彩なプログラムに挑んで私たちを驚かせ、楽しませてくれたシリーズでしたが、最終回はショパンへのグランド・オマージュ。

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ショパンの人生を反芻するというプログラムなのですが、その間にはショパンの交遊関係やその生きた時代を映し出す豊穣壮大で華麗な120分間。ショパンを含めて19人の作曲家による18曲。これを1843年製のプレイエルで弾ききるという、大変なプログラム。

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聴いていると、この時代のポーランドの田園風景、パリの華やかな社交界、ライン川河畔の自然などが目に浮かぶようで、とてもピクチャレスク。ショパンに影響を与えた恩師やフィールドらのロマン派ピアノの先人達、ショパンの音楽を伝承、継承した弟子たちなどの顔や姿も見えてくる。それに加えて、リストやシューマン、メンデルスゾーンなど同時代の作曲家たちと心を通わせた精神世界も浮かび上がって来るのです。

それは、あたかも、時代の様を活き活きと描出した長大な絵巻物。

7歳の時に書かれた遺作のポロネーズで始められたそれは、「幻想ポロネーズ」の最後の高い主和音で終わりを告げる。その余韻は長く天を突くように高く舞い上がっていきました。

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川口さん自身による解説文がとても素晴らしくて、その全てを紹介できないのが残念。



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紀尾井レジデント・シリーズ Ⅱ
川口成彦(フォルテピアノ) 第3回(最終回)
“ショパンと彼の仲間たち/ショパンへのグランド・オマージュ”
2024年4月26日(金) 19:00
東京・四ッ谷 紀尾井ホール
(1階8列9番)

川口成彦(フォルテピアノ)
使用楽器:プレイエル(1843年製作)タカギクラヴィア社所蔵

●ワルシャワ時代のショパン
ショパン:ポロネーズ ト短調(遺作)
エルスネル:マズルカ風ロンド ト短調
フンメル:ピアノ協奏曲第2番イ短調 op.85から第2楽章 ラルゲット ヘ長調
ショパン:《パガニーニの思い出》イ長調 B.37
ショパン:ポロネーズ第15番変ロ短調(ロッシーニの主題を伴う)KK IVa-5

●パリの巨匠たち
フィールド:夜想曲第2番ハ短調 H25
カルクブレンナー:様式と完成の25の大練習曲 op.143から第11番ハ長調

●同時代の友人たち
クララ・シューマン:4つの性格的小品op.5から第1曲〈即興曲・魔女の狂宴(サバト)〉イ短調
ロベルト・シューマン:スケルツォ ヘ短調 op.14 Anh.1, H/K WoO 5-1
フォンタナ:2つのマズルカop.15から第1番ニ短調
ヒラー:6つのピアノ用小品集 op.130から第1番〈バラード〉イ短調
メンデルスゾーン:3つの前奏曲集 op.104a?第2番ロ短調
アルカン:夜想曲ロ長調 op.22

●親愛なる弟子たち
フィルチュ:舟歌変ト長調
グートマン:2つの夜想曲 op.8から第1番変イ長調
ミクリ:マズルカ ヘ短調 op.4

●ヘクサメロン
リスト、タールベルク、ピクシス、エルツ、ツェルニー、ショパン:ベッリーニの歌劇《清教徒》の〈清教徒の行進曲〉の主題による6つの変奏曲《ヘクサメロン》

●天に駆け上がる《幻想ポロネーズ》
ショパン:幻想ポロネーズ変イ長調 op.61

(アンコール)
ショパン:フーガ イ短調 KK.IVc/2
ヴュルフェル:兵隊ポロネーズ ニ長調
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