刃先を研ぐ (サテライトアース11号と12号) [オーディオ]
サテライトアース11号を製作しました。
10号で好結果を得た真ちゅう製の金属たわしに味をしめて、18-8ステンレスで製作してきた従来タイプのアースを中味だけ真ちゅう製に換えてみました。
■ケース:アルミケースMB9-6-13
W90 x H60 x D125mm (容積:675cc)
■ステンレスたわし:
真ちゅう製製たわし(LIXIL-ビバホーム“ゴールドたわし”)30gx8個
■アースターミナル:エムエスケイTM-302G(金メッキ)門田無線
■銅箔テープ:NITOMS T0.08 x W50mm x L
■銅板:銅板 光 銅 1×50×100mm CZ153
真ちゅう製たわしは、ステンレスよりも柔らかく圧縮性が得られるので、結果として充填数が5個から8個に増え、容量質量も増しました。
これだけ充填数を増やせたのは、材質面だけでなく、作業にクランプを導入したおかげです。工作台用の簡単なクランプですが、木工などの貼り合わせ作業にもよく使われます。これでケースを組み上げる際に押さえられるのでネジ止めが効率よく出来るようになっただけでなく、押さえが効くので充填圧縮を従来よりかけられるようになりました。かなり圧縮をかけるので、スプリングバックの作用で、これまではステンレス5個が限界でしたが、6個まで(真ちゅうなら8個)まで可能になりました。
11号は、GRANDIOSO K1のサテライトアース増設に導入しました。
ヒジヤンさんの記事に触発されて、さっそくデジタル系に増設することにしたのです。従来のアースは、シャシーグランウンドの端子につながれています。これとは別に、DAC入力(S/PDIF端子)からアースを取ることにしました。
これはとても効果がありました。
さらに、もう一台、12号も試作しました。
これによって、当面、一台の予備機ができましたので、材質の違いを比較してみました。
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結果だけ申し上げると…
デジタル:18-8ステンレス
グラウンド:真ちゅう
という組み合わせがベストでした。
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特に、グラウンドのアースを、従来の18-8から真ちゅうに換えると、圧倒的な改善でした。サテライトアースは、解像度という点でも大きく向上しますが、少し高域が目立ち、聴感的にハイ上がりの印象になりがちです。エッジが立って、いわゆるキレキレの音になる。それが真ちゅうに換えると、ぐっと柔らかくなり、音が落ち着き聴き疲れがしません。そういう音にありがちなSNや解像度の甘さは微塵もありません。これまでにないリアルでナチュラルなサウンドです。
これまでサテライトアースの導入の度に改善を感じましたが、もっとも効果が大きかったのはプリアンプへのダブル・アースの導入です。今回のCDP/DACのアースの真ちゅう化はそれに匹敵する劇的ビフォー・アフターです。しかも、デジタル系に追加するとさらに良くなります。
理想は「日本刀」のイメージです。刀身の重量を感じさせてくれてリアリティが増し、同時に、刃先の輝き、波紋の美しさなどのニュアンスもよく浮かび出て、それでいてなおかつ刃先はとても鋭い。シャープであっても、安物のナイフのような刃先のギザギザした引っかかる感触が無いのです。
デジタルを真ちゅうにすると、シャープさが後退し高域の伸びが鈍るとともに、全体的なエネルギー感までが後退してしまいます。なぜか、デジタルは18-8ステンレスの方が良いのです。
ブレンドも試してみました。
それぞれの良さがバランスされ、中間的な音質になるものと期待しましたが、結果はまるで違いました。
まずはということで、真ちゅう2:ステンレス5のものを製作しました。ステンレスは圧縮しにくいので充填総量はどうしても1個減ってしまいます。
グラウンドを、オール真ちゅうからブレンドタイプにすると、真ちゅう化した良さが明らかに後退してしまいます。
一方、デジタルのステンレスに真ちゅうをブレンドにすると、かえって高域のハーモニーにまとわりつくアクのようなものが再び浮いてきて刃先のシャープさが失われギラギラとしてしまい、こちらも意外なことにむしろ後退してしまいます。これで、真ちゅうのブレンドをさらに増やして試してみようという意欲をすっかり失ってしまいました。
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アナログ系には真ちゅうがよく、デジタル系にはステンレスがよい。
そういう使い分けが良く、材質をブレンドさせても最適点は得られない
というのが私の今回の結論です。
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どうして材質によって音が違いが出るのかはわかりません。質量や圧縮密度、材質の弾性など振動への影響なのか、あるいは導体抵抗など電気的な特性の違いなのでしょうか。感覚的には、ステンレスの方が、デジタル信号の高周波領域のノイズをよく吸ってくれて、真ちゅうは、それより下の可聴帯域に影響を及ぼす周波数帯域のノイズを吸ってくれるという感じです。
下流のパワーアンプ~スピーカーのサテライトアースに、真ちゅうをブレンドすることで改善できるだろうと目論んでいましたが、意外な結果を前にして悩んでいます。単純に「アナログ系は真ちゅう」「100%がよい」という今回得られた命題を活かすとなると、電源系2個、スピーカー系4個のサテライトアースを全個数全量真ちゅうに入れ換えるという大作業を一気に進めなければなりません。
一方で、単純な増量の効果もあるし、また、ステンレスの方がエネルギー感に優れるということもあって、電源のアースは単純にステンレスたわしの充填個数を増やすだけで好結果を得られるのではないか、という直感もあるからです。
また、今回の結果がとても素晴らしいので、このままで十分ではないかという気持ちもあります。
ちょっと悩んでいます。
10号で好結果を得た真ちゅう製の金属たわしに味をしめて、18-8ステンレスで製作してきた従来タイプのアースを中味だけ真ちゅう製に換えてみました。
■ケース:アルミケースMB9-6-13
W90 x H60 x D125mm (容積:675cc)
■ステンレスたわし:
真ちゅう製製たわし(LIXIL-ビバホーム“ゴールドたわし”)30gx8個
■アースターミナル:エムエスケイTM-302G(金メッキ)門田無線
■銅箔テープ:NITOMS T0.08 x W50mm x L
■銅板:銅板 光 銅 1×50×100mm CZ153
真ちゅう製たわしは、ステンレスよりも柔らかく圧縮性が得られるので、結果として充填数が5個から8個に増え、容量質量も増しました。
これだけ充填数を増やせたのは、材質面だけでなく、作業にクランプを導入したおかげです。工作台用の簡単なクランプですが、木工などの貼り合わせ作業にもよく使われます。これでケースを組み上げる際に押さえられるのでネジ止めが効率よく出来るようになっただけでなく、押さえが効くので充填圧縮を従来よりかけられるようになりました。かなり圧縮をかけるので、スプリングバックの作用で、これまではステンレス5個が限界でしたが、6個まで(真ちゅうなら8個)まで可能になりました。
11号は、GRANDIOSO K1のサテライトアース増設に導入しました。
ヒジヤンさんの記事に触発されて、さっそくデジタル系に増設することにしたのです。従来のアースは、シャシーグランウンドの端子につながれています。これとは別に、DAC入力(S/PDIF端子)からアースを取ることにしました。
これはとても効果がありました。
さらに、もう一台、12号も試作しました。
これによって、当面、一台の予備機ができましたので、材質の違いを比較してみました。
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結果だけ申し上げると…
デジタル:18-8ステンレス
グラウンド:真ちゅう
という組み合わせがベストでした。
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特に、グラウンドのアースを、従来の18-8から真ちゅうに換えると、圧倒的な改善でした。サテライトアースは、解像度という点でも大きく向上しますが、少し高域が目立ち、聴感的にハイ上がりの印象になりがちです。エッジが立って、いわゆるキレキレの音になる。それが真ちゅうに換えると、ぐっと柔らかくなり、音が落ち着き聴き疲れがしません。そういう音にありがちなSNや解像度の甘さは微塵もありません。これまでにないリアルでナチュラルなサウンドです。
これまでサテライトアースの導入の度に改善を感じましたが、もっとも効果が大きかったのはプリアンプへのダブル・アースの導入です。今回のCDP/DACのアースの真ちゅう化はそれに匹敵する劇的ビフォー・アフターです。しかも、デジタル系に追加するとさらに良くなります。
理想は「日本刀」のイメージです。刀身の重量を感じさせてくれてリアリティが増し、同時に、刃先の輝き、波紋の美しさなどのニュアンスもよく浮かび出て、それでいてなおかつ刃先はとても鋭い。シャープであっても、安物のナイフのような刃先のギザギザした引っかかる感触が無いのです。
デジタルを真ちゅうにすると、シャープさが後退し高域の伸びが鈍るとともに、全体的なエネルギー感までが後退してしまいます。なぜか、デジタルは18-8ステンレスの方が良いのです。
ブレンドも試してみました。
それぞれの良さがバランスされ、中間的な音質になるものと期待しましたが、結果はまるで違いました。
まずはということで、真ちゅう2:ステンレス5のものを製作しました。ステンレスは圧縮しにくいので充填総量はどうしても1個減ってしまいます。
グラウンドを、オール真ちゅうからブレンドタイプにすると、真ちゅう化した良さが明らかに後退してしまいます。
一方、デジタルのステンレスに真ちゅうをブレンドにすると、かえって高域のハーモニーにまとわりつくアクのようなものが再び浮いてきて刃先のシャープさが失われギラギラとしてしまい、こちらも意外なことにむしろ後退してしまいます。これで、真ちゅうのブレンドをさらに増やして試してみようという意欲をすっかり失ってしまいました。
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アナログ系には真ちゅうがよく、デジタル系にはステンレスがよい。
そういう使い分けが良く、材質をブレンドさせても最適点は得られない
というのが私の今回の結論です。
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どうして材質によって音が違いが出るのかはわかりません。質量や圧縮密度、材質の弾性など振動への影響なのか、あるいは導体抵抗など電気的な特性の違いなのでしょうか。感覚的には、ステンレスの方が、デジタル信号の高周波領域のノイズをよく吸ってくれて、真ちゅうは、それより下の可聴帯域に影響を及ぼす周波数帯域のノイズを吸ってくれるという感じです。
下流のパワーアンプ~スピーカーのサテライトアースに、真ちゅうをブレンドすることで改善できるだろうと目論んでいましたが、意外な結果を前にして悩んでいます。単純に「アナログ系は真ちゅう」「100%がよい」という今回得られた命題を活かすとなると、電源系2個、スピーカー系4個のサテライトアースを全個数全量真ちゅうに入れ換えるという大作業を一気に進めなければなりません。
一方で、単純な増量の効果もあるし、また、ステンレスの方がエネルギー感に優れるということもあって、電源のアースは単純にステンレスたわしの充填個数を増やすだけで好結果を得られるのではないか、という直感もあるからです。
また、今回の結果がとても素晴らしいので、このままで十分ではないかという気持ちもあります。
ちょっと悩んでいます。
タグ:サテライトアース
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