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リビングオーディオとマジコ、そして…(M氏邸訪問記) [オーディオ]

Mさんのところを訪問するのはほんとうに久しぶりでした。 今回の訪問は、新たに導入したマジコ(MAGICO S1 Mk2)をきっかけに再構築した新システムのお披露目。 スピーカーの導入は、コロナ感染拡大の前のことでした。それが2年越しのプロジェクトとなったのは、もちろんコロナ禍の影響もありますが、何と言ってもスピーカーケーブルにラダーケーブル、足元にウェルデルタ、そして、そのウェルデルタに合わせてチタンスパイクを導入したことでした。 IMG_1939mask_1.jpg Mさんは都心のマンション住まい。ご家族との共用スペースであるリビングの一角に、都会的な洗練されたシステムをセットされています。もとの家主はグランドピアノを置いていたそうで防音は十分。 IMG_1942_1.JPG システムは一新されスピーカーこそトールボーイのフロア型になりましたが、以前と変わらぬコンパクトでスタイリッシュな洗練されたシステム。アンプはアリオンA-10の1台のみ。上流もエソテリック(ESOTERIC K-01Xs)のみという潔いシンプルさ。ここにさりげなくTechnicsのSL-1500Cが加わって、これからのアナログへの展開を狙うというもの。 Mさんとは出水電器の試聴会で知り合って以来で長いつき合いですが、相互訪問ということでは間遠になっていました。スピーカー新調をきっかけに、私のラダーケーブルやウェルフロート導入の記事に興味を持たれ、私の家に再訪されたのが今回の始まりでした。それはまたウェルデルタが発売されるという絶好のタイミング。 IMG_1941mask_1.jpg Mさんが最初にマジコを導入した時の印象は… ■密閉型とバスレフの低音の違いもあるのかなんだか線が細い ■鳴らし込んでいくと「やっぱりいい」とということになり、これからが楽しみ というものだったそうです。 さらに、ラダーケーブルを導入。余計な色付けを排して音楽の純度を上げてくれるという方向性をはっきりと感じとり、ウェルフロート(デルタ)も同じ方向性を持つということでその導入検討に入ります。 ご友人からウェルデルタを貸してもらって試聴したところで、すぐに購入を決心されたとか。ウェルデルタの1番の効果は「余計な付帯音をカットしてくれる」ということ。その時の印象は… ■其々の音像が締まって定位がはっきりすると共に間の空間を感じられる ■今まで埋もれていた音がハッキリ聞こえてくる ■ヴォーカルやソロの後ろで、バッキングの楽器がどんなことをやっているかよく分かる ■飽和感を感じていた音源がスッキリと聴こえる ■音楽の精細さの度合いが上がる IMG_1944_1.JPG Mさんは、ご自身、ギターを弾くことを趣味とされていますが、弦を弾いた時の質感がリアルで、ギターが鳴っているのではなく、弦が揺れているのが感じられるようになった曲があって驚かれたとのことです。 反面、例えばブルースなど少し上品になり過ぎると感じる人がいるかもしれないとのことでした。こういったことは、機器の分解能とレスポンスが上がり、また、特にSNが上がると感じられることなんだと思います。 発売間もない頃でしたので納品までは時間がかかったようです。実際に納入されてみても、マジコのスパイクではサイズが合わずスパイク受けを介しての試聴でした。どうしてもスパイク直刺しにしてみたいとの気持ちも強まります。そのためには直刺しが可能になるように、スパイクを特注する必要がありました。私がチタンを勧めたことで、チタン製のスパイクを特注することになりました。 チタンスパイクの製作は、加工業者とのやり取りもあって完成までには思いのほか日時を要したそうです。そこに感染症拡大も重なりました。しかし、セットアップした直後の感想は、まさに、これがチタンの音だという期待通りのものだったそうです。それはひと言で言えば、高解像度とハイスピード。驚きの効果ですが、同時に線が細すぎるとか、リアル過ぎてかえって人工的だとの印象に戸惑うことも。ここは私にもよくわかるような気がします。機器のエージングということもあるし、従来の音に慣れていた耳が目覚めていくまでには、しばらく聴き込むことが必要。奇しくもマジコ導入と同じようなファーストインプレッションを持たれたということが、そのことを示しているのだと思います。 さて… 実際にお伺いして聴かせていただくと、上述の印象はまったくその通りだと思いました。 Mさんは、私とはジャンルが違っていて、それだけに私にとっては異分野ソフトを教えてくれる先生のおひとりです。 IMG_1925trm_1.jpg (sensuous コーネリアス/小山田圭吾) そのことは、こういうオーディオデモで知られるソフトでも同じ。音像の締まり、クリアネス、定位、空間、あるいは密度の高い音の分解能。こうやって聴かせていただくと、マジコの美質とウェルデルタの相乗効果で、相性は抜群。 IMG_1928_1.JPG (Lagrimas Mexicanas) ラテンの楽天的で快活な雰囲気はそのままに、音楽としてはちょっと知的な雰囲気できかせてくれるところもあって、懸念されるような生々しさに欠けるというようなことは感じません。 こういうラテン系のソフトは神楽坂の大洋レコードでみつけるそうです。コロナ禍で散策の徒歩圏が拡がったのだとか。 IMG_1931_1_1.JPG (トゥリーナ、ロドリーゴ、ファリャとその周辺) そうした美質は、クラシックギター系でも同じ。繊細さとともに音色の表現力にも優れています。SNの高さ、付帯音の無さ、ということの証しでしょう。 (Live at the Village Vanguard) Mさんはけっこうウッドベース・フリークでもあって、これまでもいくつかソフトを教えていただいたことがあります。ライブ空間の生々しさのなかで躍動するベース。決して無理して持ち上げていない密閉型でびくとも鳴かないキャビネットの締まったハイスピードの低域が体格の大きなウッドベースの魅力を引き出しています。 IMG_1937trm_1.jpg (光と影 泉谷しげる) 芸術ならぬ“フォークロックは爆発だぁ!”的なファンキーな魅力。それが一見、冷静謹厳な面構えから盛大に発せられることの意外性…それもマジコの魅力。 Mさんは、まだ音がスピーカーに貼り付き気味だと気にしていました。録音がそういうものだからだと思いましたが、翌日、某氏邸で同じソフトを聴かせていただくと確かにそういうところが残っているようです。信号ケーブルの詰めや機器類のいっそうの振動対策などをさらに進める余地はあるようで、それもまたこれからの楽しみです。 システム機器のひとつひとつにMさんの愛着が感じられ、それぞれが楽しそうにその愛情に応えながらアンサンブルを奏でているというところにMさんらしさが感じられてとても嬉しく感じます。 懇親会は、神保町の路地の奥まった焼き鳥屋。お互いに家族が鳥が苦手ということで、家飲みが続いたこの2年、焼き鳥屋さんそのものも久しぶり。オーディオ談義のみならず身辺の世間話にも大いに話しが弾んで楽しいオフ会の一日でした。

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