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シュシュシュが上がらない (岡山秋の音会 その2) [オーディオ]

久々の岡山・音会への遠征記の続きです。 前夜の反省会で盛り上がった話題が、NHKの「日本人のおなまえ」。朝ドラの番宣も兼ねてのことでしょうが、「岡山のナゾ解き」ということで岡山のことがテーマになったばかりでした。 IMG_1689_1.JPG それで、第二日は、スイートサウンドさん宅に伺う前の空き時間に吉備津彦神社に参拝してきました。とてもすがすがしい朝で、まだ早い時間なのに次々と七五三祝いの家族連れも訪れています。 IMG_1706_1.JPG その足で、吉備津神社のほうにも寄ってみましたが時間がなくて階段下の鳥居まで。すぐに駅に向かいましたが乗り遅れてしまい、ずっと徒歩で移動するはめに。おかげで、お宅に着いたのは5分遅れ。すでに皆さんがお待ちでした。 スイートサウンドさんのシステムも外見はほとんど変わらないように見えます。 シンボルマークとも言える正12面体キャビネットのスピーカーは、相も変わらず美しいスイートサウンドを部屋にまんべんなく行き渡らせてくれています。そのサウンドは、スイートといっても砂糖などの甘さとかではなく、気持ちのよい心地よさ。味付けや濃厚さ、量感とは対極で、素材のよさを引き出す優しいサウンドです。 音量の小ささも持ち味ですが、今回は少し大きめ。 そういうなかで、前回以上に音の品位が向上した印象があります。特に低音がそうで、ふっくらとしていてしっかりした音像のめりはりが増して、サウンド全体のバランスがとてもよい。その秘密は、Direttaの導入のほかDACのコンデンサーをSEコンに換装したことにあるとのこと。チャンデバもオイルコンに換装されたそうです。なるほどガッテンです。 3wayスピーカーですが、チャンネルデバイダーではハイとローに2分割し、ハイ側をミッドとツィターにネットワークで2分割させています。だからチャンデバのクロスオーバー周波数は通常の3wayのウーファーとミッドバスと同じでかなり低い。それだけコンデンサーは大きく高価なものになりますが、コンデンサの音質面での影響はより大きいということでしょう。実際に聴いてみて、大いに納得しました。 スイートサウンドさんのホスピタリティにはいつも感服させられます。奥様の手作りで作りたての柔肌の大福を淹れ立てのコーヒーでいただく。サイコーのおもてなし。加えていつものように音会プログラムのプリントを事前に準備されていて、試聴会の進行はそのプログラムのままに進みます。ファイル再生時代の試聴オフ会は、こういう心得と心遣いが必須ということなんだなぁと、私自身も大いに反省させられます。 そのプログラムは、例によって女性ボーカル中心。 Follow Me.jpg 内容は、とてもバラエティに富んでいて楽しいし、リラックス効果も抜群。伊藤君子の“Follow Me”は、私が持っているアルバムとは別バージョン。とりさんも、私の日記に触発されてよく聴くようになったそうですが、このバージョンの方だそうです。それに続けて村治佳織の「アランフェス協奏曲」というのもイキでオシャレな設定です。村治は、2回(ライブ収録DVDも入れれば3回)、この曲を収録していますが、オーディオ的にはこちらの方が断然聴き応えがあります。 Momoe Yamaguchi.jpg 山口百恵の「秋桜」は、CDリッピングとLPアナログ再生との聴き較べ。デジタルとアナログというより、マスタリングが違うかどうかの聴き較べです。それだけ両者の音質品位が接近していて違いが小さい。こうして聴き較べてみると、なるほど、マスタリングが違うのではないかという微かな疑念がわいてきます。 最後に、ここでもノイズカットトランスの実験です(笑)。 スイートサウンドさんは、このトランスを常設させています。ただし、自作DACの電源だけこれを通しています。シンプルに、ここを着け外しして有無の比較ということになりました。 比較音源は、私のリクエスト。先ずは聴かせていただいた中で、ちょっと気になった音源です。 Jun Shibata.jpg 《有り》では、音像が締まる感覚がある一方で、音場が狭く多少窮屈になるような気がします。この差はごくわずかだとは思いました。また、女性ボーカルの音像もくっきりするのですが、子音が目立ちハスキー傾向が強まるようです。こうした傾向は、最初に聴かせていただいた時から気になっていたことでした。 Yo-Yo Ma.jpg 《無し》では、空間の広がりが自然になったと感じます。気になっていた女性ボーカルが柔らかくリアルになります。ヨーヨー・マのチェロの響きも少し痩せ気味で気になっていましたが、響きに深みが出てチェロらしくなったと感じました。 面白かったのは、特に私からお願いして持参のチェックCDでの実験。 Nordost Test CD_1.jpg このテストCDのLEDR(The Listening Environment Diagnostic Recordings)トラックのの再生です。《有り》だとシュシュシュという“Chuffing”音の高さが低くなります。[12 Tone 2. Over]では、《無し》だと見事にアーチ型を描くのに《有り》では、上昇が頭打ちになってコの字型になってしまいました。 このCDは、もともとはスイートサウンドさんのリクエストで持参したものでしたが、最初に聴かせていただいた時に、全体的にどうも音の高さが出にくいと感じていたのでぜひ試してみたいと思っていたところでした。以前のスイートサウンドさん宅のサウンドは、音像定位が高くなる傾向が強かったのですが、前回(一昨年)にはこれが改善してとても自然で聴きやすい高さになったと感じたという経緯があります。今回は、音像定位の高さはそのままですが、音場の拡がりとしての高さが出てないことがちょっと気になっていたというわけです。 人間の音像定位の上下高さの認知やこのテストトラックのカラクリはよくわかりませんが、やはり高音音域の周波数特性や位相特性が関係しているのだと思います。ノイズカットトランスは、このトラックでの意図を正確には出しにくくしているのではないでしょうか。もちろん上記のノイズカットトランス有無比較の印象は、個人的な観察感想です。人の聴覚・認知、好みには違いがあるので、人それぞれです。スイートサウンドさんご自身は、気に入っておられていて、このまま使い続けてみたいとのことでした。 笑いながら「トランスどうしようか?」というスイートサウンドさんですが、せっかくだから持って行きましょうという声に押されて、2Hさんも手伝ってよいしょよいしょととりさんの車のトランクへ積み込みました。 というわけで、トランスも2Hさん宅に向かって出発です(笑)。 (続く)

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