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秋の岡山探訪 (岡山秋の音会 その1) [オーディオ]

久々の岡山遠征です。 岡山・秋の音会への参加は、これで5回を数えます。岡山・音会の皆さんとの交流は楽しいし、皆さんがそれぞれ個性あふれるオーディオ探求をされていて、訪問の度に進化があって勉強になります。ましてや、今回はコロナ禍のために三年越しの訪問になるので、なおのこと期待が膨らみます。 IMG_1657_1.JPG この日は、いかにも11月らしい秋晴れの一日。紅葉にはまだちょっと早いのですが、山の木々はほんのりと色づいていて、空気もとっても爽やか。空港にはスイートサウンドさんが車でお出迎え。羽田空港の混雑と長い行列にも驚きましたが、こちらの駐車場がけっこう満杯だったことにも驚きました。途中で、とりさんと落ち合って軽く昼食を済ませると、いざEDさん宅へ。着いてみると、もうすでにHelicatsさんがいらしてました。 IMG_1667_1.JPG EDさん宅は、自作の真空管アンプとATCの大型スピーカーという中核は少しも揺るぎません。今回の目玉は、そういう外観からは見えにくいさりげない変革なんですが、そのサウンドの進境ぶりには驚きました。 まずはデジタル再生。 その鮮度がぐっとアップしています。しかも、ATCと真空管アンプからの骨太のサウンドは変わっていません。中核の「EDサウンド」はそのままに、SNや解像度といったデジタル再生の品位がぐんと上がった感じ。 その秘密は、自作DACやプリアンプのパーツにあるとのこと。外見上は変わり映えしないようですが、実は、基板から全て作り直したのだそうです。DACチップなどLSIの細かな足や豆粒のようなセラコン、抵抗のパーツを一から植えるのですから大変なもの。それもこれも音質追求のため。出力はオペアンプによるIVCをやめてトランス出力に変更。あのAsoyajiDACと同じです。プリアンプではNFB抵抗を変更されたとのこと。コンデンサー並のサイズにびっくり。 IMG_1669_1.JPG 音像の鮮度が高いうえに、音像定位が安定し、奥行き感が素晴らしい。奥行きは、全体の奥行き(Ensemble Depth)も個々の楽器の奥行き(Individual Depth)も、どちらも立体的でリアルです。上流でこれだけ違うんだと感服しました。しかも、基本回路は同じでパーツの変更でこれだけ進化するのです。 デジタルでもうひとつ見逃せないのが、トランポートのノートPC。 IMG_1672_1.JPG ソフトは、LINUXベースのUbuntuStudio。もともとはプロ用のマルチメディア(音楽・映像・画像)編集ソフトですが、その再生機能に特化させたバージョンとのこと。パソコンは、内蔵SSDの交換でOSをそっくりWindowsからLINUXに入れ換えてしまう。完全に音楽再生専用にしてしまうわけですが、いざとなれば簡単に元に戻せるということのようです。PCも、ちょっと選別があるそうでVAIOがベストとのこと。中古で手に入れればさほどのコストにならないそうです。これでもうCDプレーヤーとはおさらばなんだそうです。 EDさんもともとのこだわりはアナログ。こちらも驚き。 前回は、トーレンス(TD-124Ⅱ&オルトフォンSPU)の堅牢な安定感が醸し出す落ち着いた余裕のある量感といざというときの密度の高いエネルギー感の方に圧倒的な魅力を感じました。一方で、リン(LP-12 & オーディオテクニカAT-F7)の方は、調整不足のためか今ひとつ。ところが、今回、再び直接対決してみると、これは互角の闘いで、ちょっと生ツバもの。 IMG_1678trm_1.jpg 話しを伺って、またまた仰天。LP-12は徹底的にバランス調整をされたそうです。LP-12の調整は聞きしにまさる繊細なものだとあるお方から聞いていましたが、EDさんはプロの手も借りずに自分でやってしまったとのこと。それだけも驚きですが、トーレンスはもっと驚き。こちらは何とモーターのオーバーホールまでやってしまったとのこと。リベット止めさえも外して徹底的に分解。クリーニングして組み上げると、電源オフ後の慣性で回っている時間が少しばかり長くなったというから凄い。前回感じた、両者でのピッチの違いのようなことはもはや微塵も感じさせません。 IMG_1673_1.JPG 聴き較べてみると、リンの方が情報量が多く高忠実度だと感じます。やはり、現代技術の進歩というものが聴きとれるのです。でも、トーレンスの方は、確かに情報量はわずかに劣ると言えるかもしれませんが、音楽的に必要な情報は漏れなく伝えている。むしろ、だからこそ音楽的だと言えるのだと感じます。この違いはカートリッジの違いなのかもしれません。 エバ・キャシディの2枚組みアルバムで“Autumn Leaves”を聴かせていただきました。 興味深かったのは、このアナログLPのマスターは、ギターの位置から新リリースの“NIGHT BIRD”のほうのようです。以前、この新旧マスターの良し悪しや好みを話題にした時にはオリジナルの“Live at Blues Alley”の方が好みだという人も多くて、私自身も迷いましたが、最近は、やはり新版の方が制作者の本来の意図に沿ったものなんだと思うようになっていたところでしたので、やっぱりという思いがしました。それにしてもアナログとデジタルの齟齬みたいなものを全く感じさせない素晴らしい再生です。 以前と違って、EDさんは音量をさして上げませんし、かける音源もデモンストレーション的なものはかかりません。そんな控えめな音量のしっとりとした音楽であってもATCの相も変わらぬ低域の魅力が素晴らしい。そのことにEDシステムの進境ぶりを感じました。 最後は、余興ということでスイートサウンドさんご持参のアイソレーショントランスの試聴。 IMG_1681trm_1.jpg もともとEDさんは、トランスを使用されています。この日も、誰かがトイレに入るとその瞬間(便座ヒーターのスイッチオン?)に「ジーッ」と唸るのは相も変わらずです。思わずみんなで爆笑。 ということで比較試聴は、さらにこのトランスを加えることとの比較になりました。結論だけ申し上げれば、満場一致でトランスが無い方が良い。ボーカルに堅さが出て、当たるような感じがします。 EDさんのオシロスコープで電源波形を観察しましたが、EDさんによればこの日は例外的に波形がきれいなんだそうで、高調波ノイズがほとんど見えません。やや波形の頭が平らになっているかなという程度。ということで、比較試聴の結果は、もともとの電源の状態が良かったということもあったのかもしれません。電源のプロのHelicatsさんによれば、アイソレーショントランスは電源インピーダンスを上げてしまうからだとのこと。持参のトランスの容量が0.5KVAと小さいこともあるのかもしれません。少なくとも「“カスケード(直列連結)”はダメということはわかったね」というのが、この日のみんなの結論となりました。 反省会は、岡山の繁華街は避けて、最寄りの居酒屋。いつものようにオーディオ談義で大盛り上がりでした。 (続く)

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